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脳卒中後遺症による感覚障害の自宅リハビリメニューと注意点

Tags: 脳卒中, 感覚障害, 自宅リハビリ, リハビリメニュー, 後遺症

脳卒中後遺症における感覚障害と自宅リハビリの重要性

脳卒中の後遺症は、運動麻痺だけでなく、感覚障害を伴うことも少なくありません。感覚障害とは、触る、感じる、温度や痛みを認識するといった感覚が鈍くなったり、異常な感覚が生じたりする状態です。特に、麻痺側の手足に起こりやすく、日常生活の様々な場面に影響を及ぼします。

例えば、熱いものに触れても気づきにくいため火傷のリスクが高まったり、足裏の感覚が鈍いためにバランスを崩しやすくなったりします。また、衣服や物に触れたときの不快感、痺れや痛みが続くこともあります。これらの感覚障害は、生活の質(QOL)を低下させるだけでなく、運動機能の回復にも影響を与えると考えられています。

リハビリテーションでは、運動機能の回復と並行して感覚機能へのアプローチも重要です。医療機関でのリハビリに加え、ご自宅での継続的な取り組みが、感覚機能の改善や、残存した感覚を効果的に活用する能力の向上に繋がります。この記事では、脳卒中後遺症による感覚障害に対し、ご自宅でできる具体的なリハビリメニューと、実践する上での注意点について解説します。

感覚障害の種類と自宅でのアプローチの考え方

脳卒中による感覚障害にはいくつかの種類があります。

これらの感覚は単独で障害されることも、組み合わさって障害されることもあります。自宅でのリハビリでは、これらの感覚それぞれに働きかけるアプローチをバランス良く行うことが有効です。

感覚リハビリの基本的な考え方は、「繰り返し様々な刺激を脳に送る」ことです。脳は可塑性(かそせい)を持っており、適切な刺激を繰り返すことで、感覚を処理する機能が再び組織化される可能性が期待できます。自宅でのリハビリは、この「繰り返し」を日常的に行うための重要な手段となります。

ただし、ご自宅でのリハビリは、必ず主治医やリハビリ専門職(理学療法士、作業療法士など)の指導のもとで行ってください。症状の程度や種類によって、適切なアプローチや注意点が異なります。

自宅でできる感覚リハビリメニュー

ご自宅で手軽に始められる感覚リハビリメニューをいくつかご紹介します。安全な環境で行うことが大前提です。

1. 触覚刺激リハビリ

麻痺側の手や足を中心に、様々な素材や温度で触覚に刺激を与えます。

2. 固有受容覚刺激リハビリ

関節の位置や体の動きを感じ取る能力を高めるリハビリです。運動と組み合わせることが多いです。

3. 視覚情報の活用

視覚は残存した感覚を補ったり、感覚入力を助けたりするために有効です。

自宅リハビリの実践における注意点

自宅での感覚リハビリに役立つグッズ

特別な機器がなくても、身近にある様々なものが感覚リハビリに活用できます。

まとめ

脳卒中後遺症による感覚障害は、日常生活や運動機能に大きな影響を与える可能性があります。しかし、適切な方法で継続的にリハビリを行うことで、改善や、残存した感覚を有効に活用する能力の向上が期待できます。

今回ご紹介した自宅でできる感覚リハビリメニューは、あくまで一般的な例です。ご自身の感覚障害の種類、程度、体の状態に合ったリハビリを行うことが何よりも重要です。

ご自宅でのリハビリに取り組む際は、必ず専門家にご相談ください。安全を確保し、ご自身のペースで、根気強く継続することが、感覚機能の回復への道を開く鍵となるでしょう。前向きな気持ちで、日々のリハビリに取り組んでいきましょう。